指先からwas唇からlove【再公開】
飯島先輩が、買ったパンの中からサンドイッチを私に差し出す。

「あ、いえ、甘いやつでいいので!」

三年生から貴重なパンを貰うなんてめっそうもない。

ブンブンと手まで振ってお断りした。



「わははーまーた飯島フラれてやんの!」


友達がからかうと、飯島先輩は顔を赤らめて不機嫌に立ち去っていった。



まずかったかな?

好意に甘えてればよかったかな?



自分の番になり、ショーケースのなかを覗き込む。


「あれ」

ここ、文房具オンリーの購買だっけ?



そこへ、先に購入を済ませた海也が、


「マジでなんも残ってねーよ」



私の手にメロンパンを落として行った。


「え」


振り返り、足早に去っていった海也の手には牛乳とドーナッツが一つ握られてるだけ。



男の子なのに、あれだけじゃ足らないでしょ?


慌てて追いかけた。




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