指先からwas唇からlove【再公開】
ハグされたのは、ほんの数秒だったと思う。

まさか上から見られてるなんて思わずに、それに気づいたのは、

「キャッ?!」


私と海也のそばに、上から牛乳の容器が落ちてきたからだ。

まだ中身が入っていたそれは、私の足元で白い飛沫を上げて破裂、

私のスカートに容赦なく跳ねとんできた。



「……だれだっ?」


海也が上を睨み付けると、


踊り場から、三年生の飯島先輩とその友達が私たちを見下ろしていた。




「校内でイチャついてんじゃねーよ」



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