指先からwas唇からlove【再公開】
「……お前、結構、強気なんだな」
海也は、あきれたような顔でしゃがみこんで私のスカートの裾を触った。
「めっちゃ濡れてる……ジャージ持ってきてる?」
「うん、ある」
「洗ってやるから着替えたら? 牛乳ってめっちゃ臭くなるから」
「いいよ、自分で洗うよ、そもそも海也くん、指は水につけたらダメじゃない」
「あ、そーだった! てかお前早くメロンパン食えよ。昼休み終わるぞ」
「うん」
そして、
タタタ……と、一旦、階段を物凄いスピードで降りて、次にはモップを持って上がってきてた。
「ほら、早く食え、カスも一緒に拭き取るから」
私が急いで食べ終わるのを待って、牛乳で汚れた床を掃除し始めた。
「……そのまま放置するのかと思った」
「そうしようと思ったけど、教師に言われてやるのもシャクだから」
その姿を見てたらキュンとしたし、
やっぱり直感で、絶対に好きにならないと思った飯島ってやつのことが許せなかった。
【その飯島って一年前に海也くんをシメたんですよー
( ̄^ ̄)激おこぷんぷん丸!】
亜美ちゃんに飯島先輩のことを聞くと、やっぱりそうなんだと思った。
″今の三年生、ウザイから″
あれは深雪先輩のことだけじゃなかったんだね。