指先からwas唇からlove【再公開】
まだ受験のシーズンだというのに、この人たち……なにしてんの?
堤防の階段下は、砂浜ではない石の岸。
そこに腰をおろし、缶コーヒーを片手に煙草を吹かす飯島たち。
「深雪、お前こんなことしてたら内定取り消しなるぞ、あのバカ女子高でも」
「なるかよ、具合悪かったって言うし」
最悪だ。
「……てなんで二年生連れてきてんの?」
「しかも飯島フッた緒先じゃん」
悪い人たちは、やっぱり、それ同士で仲がいいんだ。
「転校してきた時から、気に入らなかったんだよ」
深雪先輩に引っ張られて、階段のところで無理やり座らされる。
「そ、飯島もだけど、男子こいつのどこがいいわけ?」
……それは私も知りたい。
「制服目立ってただけやん!」
「女から見たら色白すぎてキモいし、前髪がウザいし陰気やし、全然可愛くないんだけど?!」
深雪先輩たちの問いに、飯島たちは思い切り吹き出していた。
「決まってんじゃん、
顔がエロいから」