指先からwas唇からlove【再公開】
そう言って笑って煙草を揉み消した飯島は、
「はぁぁ?!どこが?? 意味わからんっ」
私の心中をも代弁してくれる深雪先輩たちを押し退けて私の目の前にしゃがみ込んだ。
う。
怖い。
告白してきてくれた時は感じなかったけど、
このひと、15才とは思えないほど顔が大人びている。
思わず顔を背けた。
「こういうところな! エロい顔してるのにウブ丸出しの感じ」
わからない。
亜美ちゃんのラインより意味わからない。
そもそもエロい顔ってなに?
「ウブな奴が海也みたいな男と付き合う?」
「そーだよ、海也は絶対、深雪とお似合いだと思ってたのにさぁ」
女子の偏見?
それとも事実?
この間、飯島も海也のこと手が早いみたいに言ってた。
こんな時だけど、海也の恋愛遍歴が気になった。
「ね」
飯島が煙草臭い息を吐いて、私の顔を掴んできた。
その手が冷たくて、ビクッとなった。
「もう海也とシテんの? 何回くらいヤった?」
うっすら髭の生えた口元からは、ゲスな言葉しか出てこない。
「俺ともしてよ、緒先さん」
静かな波の音に、深雪先輩たちの笑い声もかき消されていく。
飯島の大きな手が私の両肩を掴んでいた。