指先からwas唇からlove【再公開】

海也……意識も朦朧としはじめているみたい。


「やめてやめてやめてっ!」


既に私を拘束する手を緩めていた深雪先輩たちも言葉を無くして、飯島たちの海也への暴力を見つめていた。


「ちょ、やり過ぎだよっ! うちら海也には恨みなんか無いのにさっ!」


興奮しきった飯島達には、その女子の声なんか聞こえてない。


もう動かないのに蹴り続けてる。



「ホントに止めてっ」


男子の足の間から、海也が肩を抱くようにしてうずくまっているのが見えた。



ーー庇ってるんだ……肩を……



そう思うと、一気に涙が溢れてきて、



「海也っっ」




飯島達の足の間に飛び込んだ。





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