指先からwas唇からlove【再公開】

結局、 マラソン大会の優勝は、陸上部のエースが勝ち取った。


海也をボコった飯島達は、そのあと十キロのマラソンをもう一度させられたようだった。


「傷害罪で訴えてもいいんだぞ」


生活指導の先生が、海也と私にそう言ったけど、

私たちはそうしなかった。



「もー、俺らに半径一メートル以内近づかないように言ってください」


トラブルの延長は懲り懲りだった。




これで私達の恋の障害は、なくなったように感じていたけれど、

ーー現実はそうじゃなかった。




大切な存在だからこそ、

時には重く感じるものがある。





「え……海也くんと緒先先輩って、付き合ってるの?」









< 146 / 287 >

この作品をシェア

pagetop