指先からwas唇からlove【再公開】

あっさり、部屋に男子を入れたのはいいものの、すぐに後悔。

さっきの態度。
絶対にヒドイ。

海也、きっとムカついてる。


そればっかり気になって、みんなの雑談は上の空だった。


「緒先さんのアイス、カップの中でドロドロしちゃってるよ、嫌いやった?」


あ。

一ノ瀬君たちが買ってきてくれたのに、悪いことしちゃった。

「それ、いらんのやったら頂戴!俺、食うよ」


一人の男子が手を伸ばしてきた。


「や~、マジお前キショイって!」

「冗談じゃん! でも、緒先さんの持ち物何か欲しいかも」


こういう流れ、もう嫌なのにな。
リコーダーの件を思い出すから。


「トランプ持ってきたから、セブンブリッジやろーぜ」


それを察するように一ノ瀬くんがトランプを取りだし始めた。


「……」


その隙に、スマホを確認。


あ、ライン。




海也からきてた。




【そいつら、あんまり長居するようなら俺に言えよ】




見たとたん、胸がキュッとなった。






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