指先からwas唇からlove【再公開】
エレベーターで三階に行くと、廊下で海也が待っててくれた。


「良かったのかよ? 一ノ瀬たち放っておいて」


首。何回も横に振る。

海也よりも一緒にいなきゃいけない人はいない。
言葉には出せなかった代わりに、海也の指先を掴む。



「髪……乾かして」



濡れたままじゃ寒い。


早く、心も温まりたい。



海也はうなずいて、自分の部屋に私を招き入れた。



二人きりの時間は限られてる。


先生が見回る点呼、消灯まで一時間半。







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