指先からwas唇からlove【再公開】

「うちの学校だけじゃなくて、N中とかM中でも海也って有名らしくて、試合とか練習でそっちの女子と会った時は、よく奴の事聞かれるもん、″彼、付き合ってる人いるの?″って」


「……へー……」

そんな海也のことを話す一ノ瀬くんも、かなりモテそうだけど。


「でも、それらしき女は聞いたことない。いつも後輩と自転車で2ケツしてるけど、彼女ではないみたいだし、昔からへんにそういうことは話さない奴だから謎のままなんだよ」



聞いてないことまで話してくれる彼は、海也くんとは昔から仲が良いようだ。


タイプはまるで違うのにね。



「……一ノ瀬くん、部活は何してるの?」


本当はそんなこと、どうでも良かったんだけど。
いつも話しかけてくれるだけでは申し訳ないと思ったから……。

「……え、あ、俺? 俺はサッカー部だよ」

「へー……」


「緒先さんが初めてかも。海也の話してて、俺の部活なんて興味持ってくれたの!」


「……」


恩義のつもりで返した質問に、顔をほころばせる一ノ瀬くん。




「緒先さんとは仲良くなりてーな」



そういうこと、周りに人がいても言うのは言えちゃうのは、


本当はそこまで思ってないからだよ。

























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