指先からwas唇からlove【再公開】
「生野がもう少し大人になって、誰かを好きになったら、こんな風に気にしないで済むのかもしれない」
「……うん」
そんな日が来るのかな?
海也よりも素敵な男の子なんて、そんなに滅多に現れないような気がする。
近くに住んでいたら尚更……。
「けど、それまで待てないかも」
海也は私を引っ張って、洗面所から畳の部屋に移動。
押し入れから布団を適当におろし、その上に私を寝かせた。
「え、誰か入ってくるよ?」
「大丈夫、鍵掛けたから。いきなりは入ってこない」
時間を惜しむように、あっという間に海也の唇が私の唇に覆い被さる。
キスは何回かしたけど、こんなにハラハラするキスは初めて。