指先からwas唇からlove【再公開】
汚いとか、思わなかった。
元々海也みたいにキレイ好きでもないし、
潔癖症でもない。
私が感じたこそばゆさを同じように感じて欲しかった。
「……なんか、今のいい」
私の口から、そっと指外した海也は、すぐに唇を合わせてきた。
今度は大胆で長い。
私からも強く押し当てると、海谷の呼吸が少しだけ荒くなった。
あ。
また、あの鞄の時みたいだ。
あの時も、こんな風におかしな気持ちになった。
こんな風に体が熱くなってきた。
自然に、海谷の手が私の首筋から鎖骨辺りに滑ってきて、
「肌、直に触っていい?」
海也が確認してきたと同時に、
ガチャッ……と、
部屋の鍵が開けられたのが分かった。