指先からwas唇からlove【再公開】

汚いとか、思わなかった。

元々海也みたいにキレイ好きでもないし、
潔癖症でもない。


私が感じたこそばゆさを同じように感じて欲しかった。



「……なんか、今のいい」



私の口から、そっと指外した海也は、すぐに唇を合わせてきた。


今度は大胆で長い。

私からも強く押し当てると、海谷の呼吸が少しだけ荒くなった。



あ。

また、あの鞄の時みたいだ。


あの時も、こんな風におかしな気持ちになった。



こんな風に体が熱くなってきた。



自然に、海谷の手が私の首筋から鎖骨辺りに滑ってきて、


「肌、直に触っていい?」


海也が確認してきたと同時に、




ガチャッ……と、


部屋の鍵が開けられたのが分かった。




< 175 / 287 >

この作品をシェア

pagetop