指先からwas唇からlove【再公開】
「どいてどいてーーーー!!!」


悲鳴と、自転車のベルに気付いて振り向くと、



「わっ……!」


物凄いスピードで坂道を下ってくる自転車が……。

二人乗り。

運転してるのは女の子。



「だーっ!!! 生野!!足っ!!足っ!!地に着けろっ!!」


後ろに乗っているのは、



「ダメー届かないっ!!!海也くんっ!!
私と死んでっ!!!」




ーーーヤンキーの海也だった。




「あ、アブなっっ!!」



私の横を通りすぎた自転車は、カーブを曲がりきれずに、車道との境の植木にぶつかって急停止。




「……ってぇ」



二人、見事にスッ転んでいた。



……あーあ……。



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