指先からwas唇からlove【再公開】
結局、私からは海也に写真のことは話せなかったけど、事態は悪化して彼の目と耳に届く。
「……なに、これ……」
やっぱり海也との写真が欲しくて、
勇気を出して、もう一度立ち寄った視聴覚室。
二人の傘の写真は、
ハサミで切り刻まれていた。
特に、私の顔の部分……。
まわりにいた他の人も、
「これ、たしか海也と緒先さんのラブラブなやつだったよね?」
それを見て、とても不気味がってた。
一体、誰が?
……私の頭のなかには、一人しか思い浮かばなかった。