指先からwas唇からlove【再公開】
付き合ってること皆に広まりつつあるのに、
何となく海也と二人になることを避けてしまう。


「あの人だよ、海也さんの彼女」

「へー」


下級生にとても人気のある海也。
今までの告白を断ってきた理由でもある私は、
一年生からもジロジロ見られるようになった。


「そこまで可愛くないよね」

「うん、髪とかうっとーしいー」



制服は皆と同じになったのに。

これじゃ前と同じだ。








「海也くん!帰らないのー?」


放課後、玄関にて亜美ちゃんの高い声が響き渡る。


中体連の選手選考に残ったこと、きっと知らないんだと思う。


三年の下駄箱の前で、彼を捕まえていた。




「しばらくはお前の相手できねぇよ」



とても、冷たい海也の声も聞こえた。






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