指先からwas唇からlove【再公開】
二人が横転したところが、花壇の土の上で良かった。


「……だ、大丈夫?」


思わず近寄ると、


「てぇ、死ぬかと思った」


涙目の海也が、ゆっくりと起き上がって私の方をチラリと見た。




……ドキッ……




大きくはないのに、潤んだ瞳はキレイだ。




「……いたー……い、ブレーキ壊れてるのに運転させるとか信じらんない!」


そして、大きな怪我をしなくて済んだっぽい女の子も、
顔を上げて、私に視線を移した途端、





「キャァーーー」



と、再び悲鳴を上げていた。



な、な、

なに?



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