指先からwas唇からlove【再公開】

えっ?

冗談だよね?


陰から北川さんが取り出したストラップをもう一度確認する。

「そんなのくれるなんて、本当に脈ありなのかもねー!やったじゃん!」



……確かにそうだ。
グリーンランドの色違いのストラップ。



再び襲ってきたショックで、あやうくコーヒー牛乳を落としそうになった。



「あっ!海也っ」

そこに、海也が部室の重そうな戸を開けて出てくると、北川さんたちは嬉しそうに寄って行った。


「なんだよ、またお前かよ」



透けてるだけじゃ足りずに、前のボタンを二つも開けてる彼女を、顔を紅くして見た海也、

その顔を見た途端に、 また、私の心は弱くなっていき……。




【海也の彼女って、誰?】




そんな嫌味なラインを送って、グラウンド裏から学校外へと駆け足で出ていってしまった。



こんな薄い私には、海也は不似合いなのかもしれない。



< 201 / 287 >

この作品をシェア

pagetop