指先からwas唇からlove【再公開】
えっ?
冗談だよね?
陰から北川さんが取り出したストラップをもう一度確認する。
「そんなのくれるなんて、本当に脈ありなのかもねー!やったじゃん!」
……確かにそうだ。
グリーンランドの色違いのストラップ。
再び襲ってきたショックで、あやうくコーヒー牛乳を落としそうになった。
「あっ!海也っ」
そこに、海也が部室の重そうな戸を開けて出てくると、北川さんたちは嬉しそうに寄って行った。
「なんだよ、またお前かよ」
透けてるだけじゃ足りずに、前のボタンを二つも開けてる彼女を、顔を紅くして見た海也、
その顔を見た途端に、 また、私の心は弱くなっていき……。
【海也の彼女って、誰?】
そんな嫌味なラインを送って、グラウンド裏から学校外へと駆け足で出ていってしまった。
こんな薄い私には、海也は不似合いなのかもしれない。