指先からwas唇からlove【再公開】
思わずのけ反る。

え、私、そんなに怖い?


「キャァーー♪緒先先輩だ!緒先先輩!
海也くんっ!緒先先輩だよっ!!!」

そして、嬉しそうに、まだ痛がっている海也くんの背中をパンパンと叩いて、なんだか凄い興奮している。


″緒先先輩″……?



私の事、先輩呼ばわり。

誰、この子。 私、接点なんて勿論ないけど。


「いってぇな、叩くな、見ればわかるだろ?
緒先遥香だよ」


海也くんのフルネーム呼びに更にドキッ。

始めの自己紹介の時、この人教室に居なかったよね?

それなのに……、

「はじめましてーー、うち、一年一組の生野亜美っていいます!!
緒先さんが転校してきてから、ずっと憧れてます!!」


「え」


海也くんついで、また、私を驚かすような事を言う一年生。



憧れ?

こんな地味で暗い私に?


更に生野亜美は、私の手を取って、



「ミステリアスで他の人とは違う感じが超大人っぽくて、うちのクラスの女子とか憧れてる子多いですっ! 良かったら ラインかメールしてくださいっ!」


物凄いアプローチをしてくる。




「……え、あ、は、はい」




告白してきた男の子よりむしろ潔かった。











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