指先からwas唇からlove【再公開】
転校してきて10日。

まさか、初めてのライン交換が年下の女の子になるとは。


「緒先先輩のラインゲットーーー♪」

テンションたかっ。

まだ、土のついた手や頬を気にすることなく、
早速私にラインメッセージを送ろうとする生野亜美。



「あ、生野さん、ほら、先に」


たまたま持っていた絆創膏を渡す。


手のひらが擦りむけて、とても痛そうだ。



「ありがとうございますっ!緒先先輩やっさしーー♪」


「おい」


生野亜美の手に絆創膏を貼ってあげてると、何やら不機嫌な低い声が。



「俺だってケガしてるっつーの、なに二人だけの世界になってるんだよ」



海也くんが同じく擦りむいた手を、私に見せていた。



< 22 / 287 >

この作品をシェア

pagetop