指先からwas唇からlove【再公開】
生野が遥香の顔を切り裂いた写真……。
そうなる前に俺は、ちゃんと見ていたし、たまらなく欲しくてその写真の番号を申し込み欄に記入した。
それくらい、俺に肩を抱かれて顔を赤くする遥香の写真は可愛かった。
……それなのに、
「やだ、海也くん……未練たらしくまだこんなの大事に持ってたんだ?」
生野がバカにしたようなこと言う。
「……悪いかょ」
やっぱり、こいつ部屋に入れるんじゃなかった。
「悪いというか……らしくないよ。
海也くんにこんな片思いみたいなの似合わない」
″片思い″
その言葉が、どんだけ俺を辱しめるか分かんないのか?
やっぱり、こいつアホなんだよ。
「海也くんは、皆の憧れなんだから!クールなヤンキーキャラじゃないと! 中体連とかも似合わない!オカシイよっ!」
「オカシイのはお前だろ!?」
ムカついて、思わず大きな声を出した。
何で、お前はいつもそうなんだよ?
何で、過去の暗いボッチだった俺のままでいさせようとするんだ?
何で、俺を縛り付けようとする?
「あんな風に、遥香の写真にハサミ入れたり……正気じゃねぇ、イカれてる」
生野が傷つくとわかっているのに、言葉は止まらなかった。
「お前、やっぱり変だよ」