指先からwas唇からlove【再公開】
いた!
見つけた!
早速、レーザー光線を出して、的を海也に絞り始めていた。
「止めてよっ!」
スタンド席の中央の階段。
かけ上がりながら叫ぶ私を、同じ学校の皆が何事かと見上げていた。
その中には北川さんの姿もあった。
「げ、こいつ出てきやがった!」
私に気付いた他校生は、まず私にそれを当ててきた。
視界が一瞬、遮られて思わず地に手をつく。
「お! 海也の目に撃中!」
嬉しそうな奴らの声に、ハッとしてグラウンド見ると、海也が顔を下に向けて立ち止まっていた。
「よし、もーいっかい!」
「止めてっ!」
再び光線を当てられた海也は、再び足を止めて、後ろから走ってきた人に追突されてしまう。
「あっ!」
「海也、転倒したっ!」
スタンド席から、落胆の声がどよめき始めた。
……海也……
せっかくいいスタート切ってたのに、
転倒して最後尾になってしまっていた。
「おいっ!お前ら何してるッ!?」