指先からwas唇からlove【再公開】
″会えませんか?″

亜美ちゃんからこんなお誘いを受けたのは初めてだった。


そして、待ち合わせたのは学校。

三年生の校舎。


私のクラス。


なんでこんなところに?



夏休みとはいえ、サッカーやテニス部などの部活動はあり、玄関も普通に入れた。



涼しい……。

照りつける太陽の下、帽子も被らずに歩いてきたせいか、日の当たらない校舎の中はヒンヤリとして、気持ち良かった。



教室前。


「緒先先輩」

亜美ちゃんが制服姿で廊下に立っていた。


「やっぱり制服じゃないとまずかったかな?」


私、普通に私服で来ちゃった。



「うちは補習があったんで」


「……あー……」



話ってなんだろ?



とりあえず開いている教室に入り、適当に座ることにした。





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