指先からwas唇からlove【再公開】
翌日。

「おはよー、緒先さん。眠そうだね」

アクビばかりして、隣の一ノ瀬くんに早速突っ込まれた。


「……うん、海也くんの幼なじみの亜美ちゃんと遅くまでラインしてたから」


「へー。いつも海也のまわりチョロチョロしてるキノコみたいな子だろ?」


「あはは。そう、そんな髪型だったね」


同じ中学生なのに、私と違っていろんなことを知ってた亜美ちゃん。

ああいうタイプの女の子と繋がったことすらなかったな。

まるで私とは正反対だから。



「……緒先さん、今、転校してから初めて笑ったよね?」

「え?」


「笑ったほうがカワイイんじゃない?」


「……」


こんなのが困る。慣れてないっての。



こういう時、亜美ちゃんならどんなリアクションとるんだろう?

昨夜やり取りしたラインを思い出してみる。




ーー″ まぢルンルン御機嫌丸 ₍₍″




やめとこう。

私が言ったらオカシくなったと思われる。








「あ、海也がきた!」






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