指先からwas唇からlove【再公開】
″もうヤキモチ妬かないから、海也くんのお手伝いしてあげてください″
亜美ちゃんはそう言ってくれたけど、
だけど、″距離をおこう″ と決めたのは海也本人で……。
ピンポーン……。
突然、こんな風に家を訪れたら迷惑なんじゃないかと思った。
「海也くーん! 荷づくりお手伝いに来たよー!」
亜美ちゃんが私の前に立ち、インターホンのカメラの前に顔を近づけると、
「近すぎ」
海也の不機嫌な声が聞こえて、そして、
そっと開けたドアの隙間からこちらを見て、
「生野が一人来たってあんまり役に……え?」
亜美ちゃんの背後に立つ私の顔を見て凄く驚いてた。
「うち片付け下手だから、緒先先輩連れてきちゃった」