指先からwas唇からlove【再公開】
「はぁぁぁ?!」
海也とももに顔が赤くなっていく私。
「なんで生野に言われなきゃいけないんだよっ?!それにこの腕じゃ何もできねーしっ!」
ムキになって返す海也に、
「ハイハイ、ムキになっちゃって、かーわいいー♪てことで妹は退散しまーす!」
手を振って出ていってしまった。
「一体何しに来たんだアイツ」
「……うん」
もう、私に嫉妬はしないのかな?
海也と二人きりになっても、もう平気なの?
「無理してないのかな? 亜美ちゃん」
「さぁな。でも中体連のあとから、妙に割りきってる風だよ、″今までありがと″ って何回も言ってきたし……」
「助けられて、海也の気持ちが分かったからかも」
「……あー……それならいいんだけど」
「……うん」
シ……ン……。
急に静かになった家。
こうやって見たら本当に広い。
「……さっさとやっちゃお? 日が暮れちゃう」
亜美ちゃんのことや、引っ越したらこの家どうするのか、とか。
気になることは沢山あったけど、
「うん、そうだな、あんまり時間ないな」
今から海也を独り占めできることで、胸がいっぱいだった。