指先からwas唇からlove【再公開】
夢中になって片づけていたら、いつの間にか窓から見える空がオレンジ色になってしまっていた。
「あ、しまった……塾忘れてた」
午後からの部だったのに。連絡もしてなかった。
「 それ、勉強道具なんだよな? 気が回らずにごめんな。」
押し掛けたのに、謝られた。
「大丈夫、今日は国語と理科だったし。遅れは直ぐに取り戻せるから」
「そっか、高校……もう決めてんの?」
8月。
そろそろ志望校を定めないとマズイ時期。
「まだだよ」
本当は、海也と同じ高校に行きたかった。
付き合っても、もう付き合ってなくても……。
だけど、それももう叶わなくなっちゃった。
「……海也は、決めてた?」
少しでも、私と同じ願い持っていてくれてたなら嬉しいな。
「決めてなかった、でもすげぇ高望みしてた」