指先からwas唇からlove【再公開】

放課後、二年生の女の子達が海也に花束を持ってきた。



その中には、イタズラに笑う亜美ちゃんの姿も。


「さーすが色男っ♪」


男子にからかわれながらも、
海也は「ありがとう」と受け取っていた。




今日はとてもじゃないけど海也を独り占めできないや……。



その光景を帰り支度しながら見ていると、



「緒先先輩っ」



亜美ちゃんと目が合い、手招きして呼ばれてしまった。





「もう、海也くんのお父さんのクルマ、迎えに来てますよ!」



ドクン……!と胸がなる。



このまま、クルマで行ってしまうんだ。



本当の海也との最後の時間を、亜美ちゃんが私にくれようとしていた。








< 272 / 287 >

この作品をシェア

pagetop