指先からwas唇からlove【再公開】
放課後、二年生の女の子達が海也に花束を持ってきた。
その中には、イタズラに笑う亜美ちゃんの姿も。
「さーすが色男っ♪」
男子にからかわれながらも、
海也は「ありがとう」と受け取っていた。
今日はとてもじゃないけど海也を独り占めできないや……。
その光景を帰り支度しながら見ていると、
「緒先先輩っ」
亜美ちゃんと目が合い、手招きして呼ばれてしまった。
「もう、海也くんのお父さんのクルマ、迎えに来てますよ!」
ドクン……!と胸がなる。
このまま、クルマで行ってしまうんだ。
本当の海也との最後の時間を、亜美ちゃんが私にくれようとしていた。