指先からwas唇からlove【再公開】

それでも、月日は過ぎると、学年も違ったし、共通の話題もなくなってきて、だんだんと亜美ちゃんからの連絡も途切れてしまった。


亜美ちゃんの家の隣だった海也の家は、売りに出されて数ヵ月後には違う家族が住んでいたようで、
表札が″末信″から″城田″に変わってしまっていた。



時折通るその場所からは、海也じゃない男の子の声や、小さな女の子の声が聞こえていた。






ーー海也が戻ってくる家もなくなり、


私の心からも、″いつか海也に会えるかもしれない″という淡い希望が、静かに消えていく。







中学生だった私達の恋は、


こうやって終わりを迎えた。







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