指先からwas唇からlove【再公開】
「女子も真剣に走りなさいね! 途中具合悪くなったら走ってる人に伝言してから休んでください」


そして、準備体操を終えて、女子も練習スタート。


まばらに走り出した。



「ねー、梨子一緒に走ろー」
「うん、こんなのに体力使ってられるかって」


こういう時まで一緒につるまなきゃいけない友達なんて欲しくないな。


カタマったグループを抜いていく。

体育キライだし体力もないけど、歩くほうがダルい気がして、とりあえずペースを落とさずに走った。

佐賀の学校近辺は、山が多くてこんな平坦な地はなかったから、随分と楽に感じる。




ハァ……。

それでも、海也くんみたいにキレイには走れないよ。




「緒先さーん♪ 頑張ってーーー♪」




既に折り返してきた男子グループとスレ違った。

「!」


なんと、

先頭は海也くんだ。






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