指先からwas唇からlove【再公開】
彼の指に
「緒先せんぱーい♪」
チリリン♪
翌日、朝から亜美ちゃんの元気な声が聞こえてきた。
「おはよーございまーす!」
「お、おはよ」
懲りずに海也くんと二人乗りしてる。
今日は彼が運転していた。
「おはよう、海也くん……」
目が合うと、なにげにお互いに目をそらす。
「海也くんもちゃんと挨拶しなよっ」
「うるせェな、お前は生活指導員か」
「それより、緒先先輩ズルいですっ!」
「え」
ドキッとした、
何故か、悪いことしたのがバレたみたいな。
「海也くんにジュース奢るなんて!
私も緒先先輩から何かもらいたいっ!」
……ほっ。
なんだ、そんなことか。
「生野もぶっ倒れたらいいんじゃね?」
海也くんは苦笑いしながら、自転車を再びこぎ始めた。