指先からwas唇からlove【再公開】

「えっ? 俺?」

ぎょっとしてて、慌てて私を見る海也。


「スーザン、なんつってたの?今?」


苦手なくせに目立つことするからだよ。

苦笑いしながら、


「″そこから良く見えますか?″ だって」

質問の意味を教える。



シカトするだろうと思っていたのに、海也は、


「余計なお世話って、何て言うの?」


また、私に聞いてくる。

だけど、そんなこと訳せない。


「It looks good. I like gentle Susan.」

(良く見えます。優しいスーザンさんが好きです)



これをノートにカタカナで書いて、海也くんに見せて読ませる。



「いっとぅ……るっくす……グッド、アイ、ライク、じぇんとる? スーザン」



それを素直に海也が読み上げるから、
皆も笑ってた。



スーザンはニコニコで、海也に投げキッスをしながら、

「I like you who became a good child, too.」


(私もいい子になったあなたが好きよ)



と返すから、海也は、すごく恥ずかしそうにしていた。



「余計なお世話って、返してないだろ?」



好意的な会話だったことは、スーザンの反応からわかったみたいで、



「これからサボりにくいわ」



私に消ゴムのカスをピッと投げて反撃していた。



その少し照れたみたいな横顔も、キュンとくる。




「英語、いつもこの席がいいな……」





ひとつ、ひとつが、


キュンとくるーーー







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