指先からwas唇からlove【再公開】
怖い、めっちゃ怖い。ヤンキーの女子なんて。

だけど、亜美ちゃんの泣き声を聞いたら、そのまま立ち去るなんて出来なくなった。


私は、わざと大きな音をたててスリッパに履き替えて、そのままトイレに入ることに。



「あ……」



トイレ個室前。

深雪先輩だけじゃない女子がもう二人、
半べその亜美ちゃんを囲んでいた。



「おい、トイレなら他のとこ使いな!」



深雪先輩が私を睨み付ける。



「……ここ、二年のトイレなんですけど……」


トイレに学年は関係ないのかもしれないけど、
普通、トラブルを防ぐために階やトイレは学年別になっているはず。


「はあ?! 何、こいつバカ?」

「三年がトイレ使ってる時は、下級生は他を使うんだよっ!」


「深雪、こいつ転校生だからマナー知らないんだよ」



深雪先輩も怖いけど、他の二人もかなり怖い。

見た目は普通だけど、私を睨み付ける目は深雪先輩より凄みがある。





「……じゃ、亜美ちゃんも他の女子トイレに連れて行っていいですか?」




人と話して、こんなに声が震えたのは初めてだった。











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