指先からwas唇からlove【再公開】
海也が、亜美ちゃんと私の事を、″友達″だと言った。
それは、海也を好きだと気付いた私にとっても複雑な気持ちになる言葉だったし、
それ以下の存在だと言われた深雪先輩の顔は、
ピンク色の肌が、ますます紅潮して屈辱の色に変わっていた。
「友達っ?!キモいこと言うなっ!」
海也の手を振り払おうとした、深雪先輩。
その手に持たれたハサミが、海也の学ランの袖口を切り裂いた。
……違う。
「キャァァーーっ!!海也くんっ!海也くんっ!」
彼の指先にも、切り傷を作っていた。
トイレの床に、赤い血がしたたり落ちていく。