指先からwas唇からlove【再公開】
私のおでこに触れた彼の指に、私の赤い血がついてしまっている。
「前髪、邪魔じゃないの? ずっと俺も気になってた」
「……慣れてるから」
そして、つい顔を背けて、また前髪の中に隠してしまった。
「せっかく、真っ直ぐな目、してるのに」
……気持ちも、
海也しか見えてない目も、
隠さなきゃいけない気がしてた。
だけど。
「……聞いていい?」
「ん?」
海也の指に巻いたハンカチが真っ赤に染まっていくのを見ながら、
もう、そらしちゃいけないような気も……。
「海也くんは、亜美ちゃんのこと、好きなの?」
海也の好きな人が亜美ちゃんなら、
こんな私でも受け入れられるような気がした。