指先からwas唇からlove【再公開】
まだ暖房が効いてなくて、肌寒かったはずなのに、

海也に抱き締められた途端に体が熱くなって、
寒さなんて何処かへ吹き飛んだ。


「か、海也く……ん」


耳に触れる彼の髪が、柔らかくてこそばゆい。
シャツから伝わる彼の体温が心地よくて、
まるで温泉に浸かってるみたいだった。


更に力を込めるから、密着度は増して胸の辺りが苦しくなった。




……なんか、変な気持ちになってきた。

なに、これ。


海也の左手が、セーラー服の下の背中に触れてきて、

ビックリして、


「ま」


声をあげようとしたら、



ーーピンポーン!!



インターホンのベルが鳴り、海也は慌てて私から離れた。



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