指先からwas唇からlove【再公開】
「やだ、……なにしてるの?」
何? いくらなんでも飛びすぎだ。
ボタンを上手く外せないと手伝わせたくせに、
ブラのホックを外そうとするなんて。
「……」
息荒く、無言のままケガした指も使って事を成し遂げようとする海也を、
「止めてって言ってるのにっ!」
全身で、思い切り突き離した。
海也は、ハッとしたように私を見たけど、直ぐに目をそらして、それから私を見なかった。
「……はじめから、これ、……目的?」
鞄を届けに来た時から、こんなことしたくて部屋に入れたの?
ヤンキーは、順番飛ばしてこんなことするの?
「……指、治るまで、ノートはコピーしとくから」
良くわからないけど、なんか凄く、軽く見られたようで、悔しくて……。
海也を好きだという気持ちも、一瞬で褪せてしまったような気がした。
出ていく私に、海也は何も言わなかった。