指先からwas唇からlove【再公開】
彼の事、彼女の事
ここに来て、複数の人に告白されて。
恋愛ってこうやって始まるものって勝手にそう思ってた。
どちらかが、気持ちを伝えて、そして、彼氏と彼女になっていくって。
……ヤンキーは、例外なの?
「あら、帰るの?」
海也の家を出て直ぐに、隣の家の庭に亜美ちゃんのお母さんがいることに気がついた。
表札を見る。
【生野】
なんだ。隣の家だったんだ。
鞄、亜美ちゃんに頼めばよかった。
庭の掃き掃除をする亜美ちゃんのお母さんは、
「家、どこなの? わかる? 送っていこうか?」
と、気遣ってくれた。
「大丈夫です」
スマホを取り出してみせる。
これがあれば大概、迷子にならずに済む。
「……あ」
そして、それを見て、亜美ちゃんから沢山ラインが来てることに気がついた。