指先からwas唇からlove【再公開】
お父さんの仕事柄、とても転校が多かった。
小学生4年の時。
2回目の転校先で軽いイジメにあった私。
始めは、いつものようにチヤホヤしてくれたクラスメートも、
″病人みたいな顔、キモい″
″あの転校生、ネクラ″
″前の学校の自慢ばかりしてムカつく″
亜美ちゃんの障害ではないけど、
おとなしいのに、たまにKYな発言をする私を
シカトしたり、悪口言ったりし始めてしまって、
ちょっとだけ不登校になったことがあった。
そんな私を救ったのも、また、父親の転勤だった。
その時から、私は自分に自信がないせいもあり、
人には本心を見せない、いつも他人と距離を保つツマラナイ人間になっていたと思う。
そんな私が、恋なんてするわけもなく、
ここに来て、いろんな初めてを体験した。
【緒先先輩、もうお風呂入りましたか?
カッコいい前髪、切られなくて良かったよー!
緒先先輩は私のAKGRなんです!】
ラインを楽しいと思ったし、
初めて人に好かれたし、
初めて人を好きになった。
どれも失いたくないよ。
眠れないと思ったのに、布団に入りながら、
うとうとして亜美ちゃんにライン返してた。
【フロリダわず おやすみなさい】
フロリダって、お風呂を離脱したこというんだって。