指先からwas唇からlove【再公開】
……て、トイレに長居し過ぎた。
初の移動教室だけは皆の後をついていきたかったのに、始業ベル始まる一分前は、すでに教室はもぬけの殻だった。
とりあえず理科室探そう。
机の中から理科の教科書とノートを取り出していると、誰かが教室に入ってきたのに気が付いた。
パッと顔を上げて見ると、
「……!」
背の高い茶髪が、席に着いてこちらを見ていた。
また、この人なの?
ヤンキーの海也。