指先からwas唇からlove【再公開】
2時間目。
音楽の授業の為、リコーダーと教科書を持って音楽室へ移動。

場所はなんとなくしか分からない。



……きっと、海也いたらサボってただろうな。


そう思いながらクラスの女子の後をついて廊下を歩いていると、



「あ、深雪先輩だ」

「生活指導室に呼ばれてるー」

「最後に入ったの刑事っぽかったよ」

昨日、トイレにいた三年の女子が三人、教頭先生達と一緒に部屋に入るところへ遭遇してしまう。



「海也のケガのことじゃない?」

「あー、とうとう警察沙汰?」


女子の遠慮ない噂話に気付いた深雪先輩は、
こちらを振り返り、


「!」



そして、また、私と目が合った。



一瞬、鋭い視線を向けたかと思うと、そのまま先生に押し込まれるように部屋に入って行ってしまった。




……また、敵作っちゃったかな?



< 82 / 287 >

この作品をシェア

pagetop