指先からwas唇からlove【再公開】
「……え、そうなの?」
「うん。俺、頭悪いし、苦手な人間が多いけど。学校に来たら話す奴もまぁいるっちゃいるし、女にモテるし、家に居るより全然いいよ」
「海也くん、いつも自由だしね」
「自由つーか、教師にも諦められてるから」
寝転がるようにして下を見つめていた海也は、
体が痛くなったのか、
「枕、貸して」
チョンと私の膝を触ってきた。
「……枕……? え、膝枕?!」
びっくりして大きな声を出した私に、″しっ″と指を立てて見せて、
そして、返事も聞かないうちに私の太ももに頭を乗せてきた。
「……ちょっ……」
何、甘えてんの?
まるで恋人同士がやるようなそんなこと、
この間だってハグからフライングして、変なコトしようとしたし。
私の事、一体、どう思ってるの?
太ももに海也の体温と重みを感じて、心臓がバクバクしていた。
「緒先がいるからかもしれない、
学校に行きたくてしょうがなくなったのは」