指先からwas唇からlove【再公開】
そりゃそうだ。
コンクリートだもん。
身体痛くなるし、冷たくなるしだんだん痺れてくる。
「……ね。海也くん」
それでも、海也の頭を振り落とすことなんて出来ない。
「……んー?」
海也が気持ち良さそうに目を閉じているから。
こうやってみたら、
男の子なのに、肌、ニキビとかなくてスベスベ……。
髪も染めてるのにサラサラだし、
鼻筋もキレイだな。
睫毛もこんなに沢山あったんだね。
唇も、口角上がってキレイ。
「……なに? なに言いかけた?」
寝顔?ではないけど、目を閉じた顔に見とれていたのに、パチッと開けられて、こんどは目のやり場に困る。
「……何でもない」
この穏やかな空気をあえて壊す必要はないし。
「……あ、そ」
だから、眠ってて。
足の限界が来るまで。
……というか、もう、無理かも。
「なに、もじもじしてんだよ? 小便?」