指先からwas唇からlove【再公開】
三年生の深雪先輩が何をするか分からないから、今は、まだちゃんと″好き″って言えない、
春になったら、″彼氏 彼女″として付き合おう…
………海也は、腕枕しながらそう言ってくれた。
「……うん」
寒かったけど、日が当たるとポカポカして寝そうになった屋上。
ここでサボるのは、これきりにしなきゃ。
海也が″蟻ん子″だと言った緑のジャージの群れが、再び学校に戻って来た頃、
私は教室に戻った。
「また明日な!なんかあったらさっき教えた番号に連絡して」
海也は他の学校の友達と遊ぶことになったらしく、そのまま行ってしまった。
「うん」
ここの学校に来てから、
やっと二人目の連絡先がスマホに登録された。