恋愛船〜jast two〜



「花恋“なら”とかだよ。女の子はすぐ、期待しちゃうんだから」


むぅ、と言いながら、俺のコードが読みこめたのか、スマホを操作する花恋。


「べつに、ほんとのこと言っただけ。花恋とならいいと思ったよ」


サラッと言ったそのことばに、花恋のスマホをさわる手がとまって、俺をみてかたまっている。


「っ……反則だよ……」


あつ……と、手で顔をパタパタあおぎながら、俺からはなれてみんなのところにもどっていく。


やばい……。


ほんとにかわいいかも。


めったに、女子をかわいいとか思わない。


反則なのは、花恋のほうだし。


そう思いながら、花恋のうしろ姿をそっとみつめた───。


< 17 / 60 >

この作品をシェア

pagetop