恋愛船〜jast two〜
「花恋“なら”とかだよ。女の子はすぐ、期待しちゃうんだから」
むぅ、と言いながら、俺のコードが読みこめたのか、スマホを操作する花恋。
「べつに、ほんとのこと言っただけ。花恋とならいいと思ったよ」
サラッと言ったそのことばに、花恋のスマホをさわる手がとまって、俺をみてかたまっている。
「っ……反則だよ……」
あつ……と、手で顔をパタパタあおぎながら、俺からはなれてみんなのところにもどっていく。
やばい……。
ほんとにかわいいかも。
めったに、女子をかわいいとか思わない。
反則なのは、花恋のほうだし。
そう思いながら、花恋のうしろ姿をそっとみつめた───。