恋愛船〜jast two〜
「……わかったよ」
1度きめたらぜったいにまげない性格なのは、しっている。
それに、ほかに好きなヤツができたとかあたまがついていかねぇ。
「……うん。じゃあね」
俺に背をむけてあるいていく花恋。
屋上の扉が閉まったのを確認してふと下に目線をやると、だれかがおいていったのか空き缶が目につく。
俺はそれを、思いっきり蹴とばす。
「意味わかんねぇよ……花恋……」
花恋のようすがおかしかったのは、このせいだったのか?
「……んだよ、好きなヤツって……」
いき場のないこのきもちを、どうすることもできなくてイライラする。
今度は、目の前のフェンスを思いっきり殴る。
───カシャンッ……
フェンスのゆれる音が、俺の心をむなしくさせた。