恋愛船〜jast two〜



ザワザワ、ザワザワ……


1年の教室がある階の廊下をあるくだけで、こんなにも注目される。


「あっ、詩織とだきあってたひとだ」

「かっこいい……」

「先輩が、どうして1年の階に?」


ヒソヒソとそんな声がきこえてくる。


俺はそいつらをにらんで、廊下でともだちと立ちばなしをしている男子生徒に声をかける。


「あのさー、1年にピンクのカーディガンきてるやついねぇ?」

「ピンク……詩織ちゃんのことですか?」

「あー……うん。そんななまえだったと思う。そいつ、よんできてくんない?」

「わかりました!」


そう言って、“1ーB”と書かれた教室にはいっていく男子生徒。


ズボンのポケットに手をつっこんで廊下の壁によりかかってまっていると、教室から男子生徒といっしょにひとりの女子生徒がでてきた。


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