恋愛船〜jast two〜
俺にきづいたその女子生徒は、パタパタとそばにかけよってくる。
「えっ斗真先輩!どうしたんですか?」
瞳をクリッとおおきくさせて、首をかしげる。
たいていの男はこれでおちるんだろうけど、俺はこいつのことを全然かわいいと思えない。
むしろ、きもちわりぃ。
「どうしたじゃねぇだろ。なにこのウワサ」
まわりの生徒は、俺とこいつがいっしょにいるのをおもしろそうに見物している。
「あ、あの……詩織が告白したときにクラスの子にみられていたみたいで、どうしてかそんなウワサが……」
あのとき、窓から数人の生徒が俺たちをゆびさしていたのを思いだした。
「……それで、花恋先輩も───」
そう言ったあと、すぐに口もとをおさえて、やばい、と言った顔をする。
だけど、もうおそい。
「花恋がなに」