恋愛船〜jast two〜
「あたしも、ききたいことがあるんだけど……。
斗真くんって、あの1年の子とつきあってるの?」
英麻も、このウワサしってんのか。
まぁ、そりゃそうか。
「あー、それ誤解だから。俺、いまも花恋が好きだし、ほかの女なんかみてない」
「えっ……。じゃあ、誤解を解いたら花恋とヨリをもどせるんじゃないの?」
なんで、英麻が泣きそうなんだよ。
「いいよ、もう……。秋のきもちをしらなかったし、秋ががんばったから花恋はふりむいたんだよ。
俺がいまさらそんなこと言ったら、秋はまた……」
ことばにつまる。
英麻のほうをみると、やさしくほほ笑んで俺にこう言った。
「斗真くんは、やさしいね……」