恋愛船〜jast two〜



「……あのね、じつはあたし、秋くんのことが好きなんだ……」


英麻の口からでたことばにおどろく。


「瞬くんとかは、あたしのきもちしってるんだよ?」


あの瞬が……?


……俺ってほんと、まわりのこと全然しらなかったんだな。


「それでね、3回告白したんだけど、ぜんぶことわられてるの……」


かなしそうにほほ笑んで、はなしをつづける。


「でね、その告白3回ともに、花恋のなまえがでてきたの……。


“斗真とつきあってても、好きなものは好きなんだ”って……。

“告白してフラれたからって、嫌いになれるわけじゃない。”

“叶わなくてもいいんだ───って、
たとえ、片想いでも……。”


見守りたいって言ってた。

一途だよね……」


秋がそんなきもちでいたなんて。


どんな思いで、俺たちのことをみていたんだろう。


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