恋愛船〜jast two〜
───サァーッ……
強い風がふいて、桜の木がゆれる。
桜の花びらが地面にむかっておちていくのを、たいして興味もないのに目でおいかける。
俺はその桜の木の下をとおって、校門までの道をあるいていく。
「おーい、斗真ー!」
「……」
「あっれー?斗真?」
「……」
「えっ、ちょ、斗真って!なんで無視すんだよ」
ガシッと肩をつかまれて、足をとめられた。
「……んだよ」
ふりむくとそこには、ニコニコと笑うきもちのわるい瞬と、ハデな女子4人が立っていた。
そのなかに、瞬がかわいいと言っていた女の子がいることにきづく。
「このあと、この子たちとカラオケいこーぜ」
……あぁ、
めずらしくにげられなかったわけか。
「いかねーよ」
「なんでだよ!?いいじゃんかよ!」
俺の腕をひっぱっていく瞬。
「いかねーって」
「どうせ家帰っても、寝るだけだろー」
ほらほらと言って、どんどん腕をひっぱられる。